こんにちは!山崎たくわんです。
私は、自他ともに認める大の担々麺好きです。
中華料理屋に入ると、メニューのトップではなく、まずは「担々麺」があるかどうかを血眼になって探します。
麻婆豆腐も好きですし、青椒肉絲も大好きです。
ですが、メニューに担々麺の文字があると、抗えずに高確率で選んでしまいます。
学生時代はその傾向が特に強く、自宅で担々麺を自作したり、外出先で「担々麺」の看板を見つけたら、吸い込まれるように迷わず入店したりしていました。
そんな、担々麺に完全に取り憑かれていた私が、10年以上経った今でも浮気せず、ずっと通い続けている名店があります。
それが、「香家(こうや)」です。
今回は、私が人生の3分の1を捧げてきた香家の魅力と、一度食べたら抜け出せない魔性のメニュー「青鬼担々麺」への愛を、余すことなく語らせてください。
縦横無尽に都内を奔走!香家との出会いは就活中だった
香家と出会ったのは、まだ私が大学生だった頃です。
リクルートスーツに身を包み、就職活動で都内を歩き回っていた時期でした。
ある日、次の面接まで少し時間が空いてしまい、時間を潰せる場所を探していたときのことです。
街角でたまたま見つけたのが、「香家」でした。
当時の私は、人生で最も担々麺に夢中だった時期でした。
お腹も少し空いていたので、「これは入るしかない」と、吸い込まれるように入店しました。
しかし、ここで一つ問題が発生しました。
担々麺というのは、店によって辛さの基準が全然違います。
「辛さレベル1」と書いてあっても別のお店では頭皮から汗が吹き出すほど激辛だったり、逆に「激辛」とあっても拍子抜けするほどマイルドだったり……。
見ず知らずの初めてのお店で、いきなり大冒険する勇気は私にはありません。
数時間後には大事な面接も控えています。
そこで私は、メニューの中で最も辛さが低い、安全牌の「姫担々麺」を注文することにしました。
初めて食べた姫担々麺に衝撃と物足りなさを感じた
目の前に運ばれてきた、美しく気品のある姫担々麺。

ハーフサイズの姫担々麺
さっそく、レンゲでスープを一口…。
その瞬間、上品で香ばしい胡麻の香りが、怒涛の勢いで口いっぱいに広がりました。
「……美味い!!」
濃厚なのに、決して重たくない。
少しとろみがあるのに、嫌な粘り気がまったくない。
驚くほどサラリとしていて、舌触りがとにかく心地良いのです。
さらに感動したのが「麺」でした。
極細麺であるにもかかわらず、噛むとしっかりと芯が残っていてコシがあります。
スープとの絡みも抜群です。
具材はひき肉、ネギ、搾菜(ザーサイ)と非常にシンプル。
しかし、どれもが計算され尽くしたかのようにスープと調和しており、一口ごとに違った食感を楽しませてくれます。
「今まで食べてきた担々麺と、次元が全然違う……」
リクルートスーツを着て、食事後には面接をする予定があるということも忘れ、私は確かに大衝撃を受けていました。
ただ、至福の時間を過ごしながらも、
「私にとっては少し優しすぎる味かもしれない」と思ってしまいました。
そう、激ウマなのは間違いありません。
なのに、担々麺好きの身として、どうしても「もう少しヒリつくような刺激」を求めてしまう自分がいました。
この最高のスープのベースで、もっと凶暴な刺激を味わってみたい。
そう心に決めた私はわずか一週間後、確実な目的を持って、再び香家へと足を運ぶことになります。
就活はただの口実。1週間後、私は香家の虜になった
初めての衝撃から、わずか一週間後。
気づけば私は、またしても香家へと入店しました。
もちろん、建前は「就職活動」です。
大事なことなのでもう一度言います。あくまで建前です。
私の本音は、100%「担々麺」にありました。
今回のお目当ては、前回メニューを見てからずっと気になっていた「青鬼(あおおに)担々麺」。
メニューには、不穏かつ魅力的な「青花椒びりびり!」という文字が躍っています。
注文してしばらくすると、青鬼担々麺が姿を現しました。
前回の気品あふれる「姫担々麺」の白いスープとは打って変わり、目の前にあるのは禍々しいほどに真っ赤なスープ。

見た目が芸術的な青鬼担々麺
さらに、その表面には怪しげな黒い粉がこれでもかと振りかけられています。
後から知ったのですが、これこそが鮮烈な痺れを生む「青花椒」でした。
例えるなら、姫担々麺がポケモンでいう「ピチュー」や「トゲピー」だとしたら、青鬼担々麺は「ミュウツー」や「リザードン」。
出会った瞬間に「あ、これレベル上げ怠ったら一撃で全滅するやつだ」と察するレベルで、見た目からして圧倒的に強そうでした。
水を飲むと口内超冷感!一口で虜になった青鬼担々麺
息を呑み、意を決して、恐る恐るスープをレンゲで掬って口に運びます。
「……おや? 意外と大丈夫?辛くないじゃん?」
最初にやってきたのは、あの懐かしい姫譲りの「優しい胡麻の甘み」でした。
しかし、油断したのも束の間。その直後でした。
じわじわと激しい唐辛子の辛さが押し寄せたかと思うと、間髪入れずに青山椒の容赦ない痺れが猛烈な勢いで追いかけてきました。
「辛っ……!!」
思わず、テーブルの上の水を一気に飲み干しました。
するとここで、驚くべき異変が起こります。
「……ん? 水が、異常なほど冷たく感じる……!?」
氷水なんてレベルじゃない、まるで凍てつく氷河の水を飲んでいるかのような感覚。
口の中の神経が、青山椒のパワーによって完全に麻痺し、バグってしまっているのです。
十分すぎるほど辛い。
頭皮から汗が吹き出るほど痺れました。
それなのに、なぜかまたスープが飲みたくなってしまうのです。
抗えない魔力に操られるように、もう一度レンゲを持ち一口。無意識にもう一口。
やっぱり辛いです。何度飲んでも、辛いです!
でも、その暴力的とも言える辛さのすぐ奥には、あの濃厚で優しい胡麻の甘みがちゃんと控えていて、傷ついた口内をなめらかに包み込んでくれるのです。
まさにツンデレの極み。
続いて、麺をすすります。
極細麺でありながら、パツンと心地よく噛み切れる絶妙な芯の硬さ。
柔らかすぎず固すぎず、まさに職人技の茹で加減です。
この麺が、旨辛なスープをこれでもかと絡めてきます。
そして再び口内を襲う、唐辛子による辛さの波と青山椒による痺れの嵐。
辛い!痺れる!……でも、箸が止まらない!!!
「辛い、痺れる、でも食べたい」という無限ループに陥り、気がついたときには、私はこの「青鬼担々麺」の虜になっていました。
10年間いろいろ食べ歩いたけれど、結局「香家の青鬼担々麺」が最強
あの衝撃的な出会いから、10年以上が経ちました。
その間、私も一端の担々麺マニアとして、世間で行列ができる有名店や、ネットで評判の良い名店など、数外の担々麺を食べてきました。
もちろん、世の中には美味しい担々麺がたくさんあります。それは認めます。
ですが、「香家みたいな担々麺」には、10年間の中で一度も出会ったことがありません。
他のどのお店で美味しい担々麺を食べても、私の脳裏をよぎるのはいつも香家の味でした。
結局、私が本当に食べたいのは、他でもない「香家の青鬼担々麺」だけだったのです。
例えるなら、「別の男と遊んで、今の彼氏の大切さに気づいて後悔する感覚」にものすごく近いです。
忘れられない元彼(香家)を手放して、新しい刺激を求めて他の男(他のラーメン屋)を渡り歩いてみたけれど、知れば知るほど「あぁ、やっぱり私にはあの人しかいないんだ!」と元彼のことがさらに好きになっちゃう、あの感覚と同じなんです!
いつしか私の中で、ひとつの確固たるルールができました。
「新しい担々麺屋を開拓するリスクを冒すくらいなら、その時間とお金で香家へ行きたい」
それくらい、香家は私にとって代えのきかない、唯一無二で特別な存在になっています。

LINEクーポンでついてくるミニ杏仁豆腐も好き
最低でも年に1回。誕生日は「迷わず香家」に行くという夫婦の約束
もし私がまだ独身だったら、間違いなくもっと頻繁に香家へ通い詰めていたと思います。
でも、今は絶賛子育て中です。
お店がある都内からは少し離れた場所に住んでいることもあり、子どもを連れて気軽に行ける距離ではありません。
それに、私は青鬼担々麺の辛さに慣れてしまっていますが、辛さに慣れていない人からしたら、正直めちゃくちゃ辛いです。
もし頻繁に食べようものなら、翌日は確実にお腹を壊す自信があります。
それでも、できることなら毎月だって食べたいです。
もしも「激辛を食べても健康被害が一切出ない無敵の身体」が手に入るなら、毎週でも通いたいです。
それくらい愛しています。
実は我が家には、「お互いの誕生日には、とにかく自分の好きなことをしよう」という、夫婦で決めたルールがあります。
だからこそ、自分の誕生日が来たら、私は一切の迷いなく「香家へ行って青鬼担々麺を食べる」ことを選ぶのです。
日常のご褒美として、最低でも年に1回は必ず訪れる、私にとっての第二の実家のようなものです。
10年経っても色褪せない、私にとっての至福の1杯
誕生日当日。
私は万全の体調を整えて、香家の席に座ります。
しばらくして、ついに目の前にあの真っ赤な「青鬼担々麺」が運ばれてきます。
その瞬間、私は毎回、心の中で全く同じ言葉を叫んでしまうのです。
「やっと会え担々麺!(やっと会えたね、私の青鬼担々麺)」
実際には、前回の訪問からきっちり1年ぶりじゃないこともあります。
仕事の隙間を縫って、数ヶ月ぶりに来られたときだってあります。
それでも、青鬼担々麺を目の前にしたときの嬉しさは、いつだって格別。
「なかなか来られなくて、待たせてごめんね」
そんな愛おしい気持ちを抱きながら、私は至福の最初の一口を口に運びます。
あの就職活動の真っただ中、都内で偶然見つけた、たった1杯の担々麺。
それが10年以上経った今でも、私にとって人生最高で、唯一無二の担々麺です。
たぶん、来年の誕生日も。その次の誕生日も。
私は香家のテーブルで、真っ赤なスープを前に目を輝かせながら、こう言うことでしょう。
「やっと会え担々麺!」と。

やっと会え担々麺



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